“ヨギニナース”のアカデミア日記⑥ | エンゼルメイク | エンゼルケア | 素敬
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“ヨギニナース”のアカデミア日記⑥
(2016.09.30)

エンゼルメイク・アカデミアも第6回目を迎えて、いよいよ大詰めです。
今回は、法医学専門の岩瀬博太郎先生から、法医学から捉えた「死」のかかわりを学びました。

法医学というと、個人的にはやはりテレビドラマのイメージが強いです。法医学=解剖というイメージ。看護学生時代に医学生の検体解剖を見学したり、病棟勤務時代に病理解剖を垣間見たりした思い出が蘇りました。

岩瀬先生のお話によると、法医学は国民の権利・安全を守るための医学であり、死体解剖だけではなく、海外では生体保護(虐待やDVの場面など)も行われているとのこと。法医学の概要、日本の死因究明の実情、海外との差、犯罪と法医学との関わり、死後CTなどの技術的側面など、多岐に渡ってお話を伺うことができました。数多くの現場をご経験され、知識も経験も豊富な岩瀬先生のお話は、とてもリアルで面白いものばかりでした。

日本における死因究明のあり方は、法律が整理されていないことや、医療と法医学の意識の温度差、犯罪性の有無など、様々な要因でかなり偏ったものになっていることを初めて知り、とても驚きました。

一方で、講義を聴きながら「事故や事件に巻き込まれて死ぬということはどこか遠い世界の話だと思っている」ことに気がつきました。病院や自宅で看取って、通夜・お葬式・火葬という流れが当然のことで、看護師として看取る死も、自分や自分の家族の死も同様だ、とどこかで感じていました。私が個人的に、事故や事件に巻き込まれたり、そのようなケースを経験したことがないからかもしれません。

しかし、当然のことながら、日常のいつ、どこで事件や事故に巻き込まれて、死因不明な死や犯罪に関わる死に直面するかは分からないですね。
看護師として病院や施設に勤務している時も同様だと思います。救急外来で変死の患者を看るかもしれないし、訪問看護の訪問先で患者が突然亡くなっているかもしれません。医療の様々な現場でいつ起きてもおかしくなく、実際のケースも少なくないだろうと思いました。

メイクや冷却を施すエンゼルケアは、法医学にとって大切な証拠や事実を歪めてしまう可能性があり、その点ではマイナスにもなりうるそうです。
今までの講習で「エンゼルケアとは」を様々な角度から学び、その意味や必要性をより深く考えるようになりましたが、ここへきて全く別の角度からマイナス点としてエンゼルケアを捉えてみて、また新しい側面を見たような気がします。

「人の死に直面したとき」に自分にできることをもっと広い視野で捉えることも大切なのかもしれないと思いました。また、岩瀬先生は、近い将来に看護師が死亡診断書作成に関わっていく動向についても示唆されました。医師のサポートであっても、死亡診断書の死因について情報収集する立場になれば、看取った後のケアも自ずと変わってくると思います。

医療の現場で患者の一番近くにいる看護師として

自身、もしくは家族や近しい人の死を体験する一人の人間として

日本の死因究明の実情や、法がどのように「死」に関わってくるのかを知っておくのも、包括的なエンゼルケアの大切な要素なのかもしれません。







文章・イラスト:八幡 祐子
福井県福井市生まれ。看護師。大阪、神戸、イギリス、フィリピンなどでヨガやエネルギーワークを学ぶ。2014年秋にぬんヨガに出会い、現在も彼の元で型にはまらないヨガ実践を深めている。ヨガや瞑想を通じて「自分の人生を生きる」ことの大切さと楽しさを実感し、それを伝えていこうと、2014年末に治験コーディネーター職を退職。現在は看護師をしながら、ヨガティーチャーやお話会をメインに活動している。
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http://floweringyuko.blogspot.jp/



 

“ヨギニナース”のアカデミア日記⑥  

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